聖書通読第42週 【ホッと一休み】槍を持った手が、洗礼を授ける手に変わった日

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聖書通読第42週 【ホッと一休み】槍を持った手が、洗礼を授ける手に変わった日

今週は、ソロモンの神殿や黙示録のさばきなど、少し重たいテーマが続きましたね。ここで温かいお茶でも飲みながら、ひとつの実話に耳をかたむけてみましょう。

① ジャングルに消えた5人の若者

1956年1月、南米エクアドルのジャングルで、5人のアメリカ人宣教師が命を落としました。ジム・エリオット、ネイト・セイントたちは、みな20代から30代の若者でした。

彼らは、外の人をとても恐れていたワオラニという部族に、イエス様の福音を伝えようとしていました。飛行機から贈り物を届け、少しずつ仲良くなろうとしていたのです。ところが、川辺で待っていた彼らは、槍で襲われてしまいました。

宣教師たちは銃を持っていました。銃は発射されました。けれども、相手を撃つことはしなかったのです。銃弾の発射は、空にむけてでした。なぜか?

「私たちは天国へ行く準備ができている。でも彼らは天国へ行く準備ができていない・・・」ということが理由でした。

ジム・エリオットは学生時代、日記にこんな意味のことばを書いていました。
「失うことのできないものを得るために、持ち続けられないものを手放す者は、決して愚か者ではない。」(永遠のものを得るためには、永遠でないものを手放さなければならない。)

② 妻たちは、ジャングルへ向かった

ふつうなら、悲しみと怒りで「あの部族とは二度と関わりたくない」と思うでしょう。ところが、驚くことが起こります。

ジムの妻エリザベスは、3歳の娘ヴァレリーを連れて、夫を殺した人々の村に住みに行ったのです。ネイトのお姉さんのレイチェルも一緒でした。

彼女たちは、復しゅうではなく、『神様の愛』を持って行きました。言葉を学び、一緒に暮らし、少しずつイエス様の福音を伝えました。

小さなヴァレリーは、村の子どもたちと一緒に遊んで育ちました。お父さんを殺した人々のそばで、です。人間の力ではとてもできないことですね。

③ 槍の手が、洗礼の手に

やがて、ワオラニの村に変化が起こります。たくさんの人が、イエス様を信じるようになったのです。その中には、なんと宣教師たちを槍で襲った男たちもいました。

それから何年かたって、殺されたネイトの息子スティーブが、川でバプテスマを受けました。そしてバプテスマを授けたのは、ネイトの父を襲った男たちのうちの二人でした。父の命をうばったのと同じ川で、今度は息子が、バプテスマを受けたのです。

その一人、ミンカイエという男性は、のちにスティーブの家族と深い絆で結ばれました。スティーブの子どもたちは、ミンカイエを本当のおじいちゃんのように慕ったといいます。

槍を持っていた手が、洗礼を授ける手に。敵だった人が、家族に。神様の恵みは、ここまで人を変えたのです。

④ 恵み・悔い改め・行い

この物語には、『福音の神髄』の三つのことが、全部つまっています。

悔い改め ― ワオラニの人々は、自分たちの罪を認め、神様の方へ向きを変えました。それまでの「やられたらやり返す」生き方から離れたのです。

恵み ― 槍で人を殺した人でさえ、イエス様の血によって赦されました。「だれでもキリストのうちにあるなら、その人は新しく造られた者です」(Ⅱコリント5:17)。

行い ― エリザベスたちの愛の行動は、

救われるために「支払う代金」ではありません。

恵みを受けた人の心から、自然にあふれ出た「実」でした。

「善をもって悪に打ち勝ちなさい」(ローマ12:21)を、彼女たちは生きて見せたのです。

⑤ 黙示録7章が、ここにも

今週読んだ黙示録7章を思い出してください。天の御座の前には、「あらゆる国民、部族、民族、国語」から来た大群衆がいました。

その中には、きっとワオラニの人々もいます。そして、その隣には、5人の宣教師たちも。かつて槍を向けた人と、向けられた人が、同じ白い衣を着て、並んで小羊をほめたたえているのです。想像するだけで、胸が熱くなりますね。

⑥ 今日のあなたへ

もしかすると、あなたにも「この人だけは赦せない」という人がいるかもしれません。あるいは、「こんな自分は、神様に赦されるはずがない」と思っているかもしれません。

でも、大丈夫です。ワオラニの人々を変えた神様は、今も同じ神様です。どんな心も、どんな過去も、神様の恵みが届かない場所はありません。


注)この物語は、エリザベス・エリオットの著書『ジャングルの殉教者』(原題:Through Gates of Splendor)や、スティーブ・セイントの証し、映画『エンド・オブ・ザ・スピア』(2005年)などで広く知られています。

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