
この記事の目次
【聖書通読 第21週6日目】神を信頼する恐れなき歩みと、内なる心の聖別
説明文: 申命記20章では、目に見える敵の強大さに恐れず、神の共にある戦いに挑むための驚くべき軍律が示されます。
一方、ローマ人への手紙2章では、他者を裁きながら自らも罪に生きる人間の欺瞞が暴かれ、外見ではなく「心」が神の前に聖別されているかが問われます。恐れを締め出す信仰と、内面を新しくされる心の割礼について深く味わいましょう。
【旧約】申命記 20章 解説
申命記20章は、イスラエルの民がこれから約束の地を勝ち取るために直面する「戦争」に関する具体的な規定、すなわち神が定められた軍律が記されています。
最大の特徴は、戦いの勝敗を決めるのは軍事力の規模ではなく、「神への信頼」であるという点です。戦いに臨む際、まず祭司が民の前に立ち、「あなたの神、主が、あなたとともに進み、あなたのために敵と戦って、勝利を得させてくださる」(20:4/新改訳)と力強く励ましました。神が共に戦われるからこそ、馬や戦車の多さに恐れてはならないと命じられたのです。
さらに驚くべきは、兵士の「従軍免除」の規定です。新築の家の奉献が終わっていない者、ぶどう畑の初物を得ていない者、婚約中の者など、心に未練や思い残しがある者は帰宅が許されました。そればかりか、「恐れて、心がくじけている者」も、その恐怖が他の兵士に伝染しないよう、戦線から離脱することが認められたのです。これは、当時の軍隊が数や強制力に頼っていたのとは対照的であり、神は「ただ信じて従う自発的な心」を求めておられたことが分かります。
後半では、敵の町を攻める際の順序が示されます。まず「平和の提案」を呼びかけ、和解の道を模索すべきだとされました。ただし、約束の地の内側にある異邦人の町に対しては、彼らの忌むべき偶像崇拝や倫理的退廃にイスラエルが染まってしまわないよう、完全に聖別(滅ぼす)することが命じられます。 また、町を包囲する際にも、食糧を生み出す果樹を戦争の資材として伐採してはならないという、神の創造秩序への深い配慮と自然環境の尊重が記されており、凄惨な戦いの中であっても神の正義と憐れみが貫かれていることが示されています。
【新約】ローマ人への手紙 2章 解説
ローマ人への手紙2章は、1章で語られた異邦人のあからさまな不道徳や罪を「そうだ、その通りだ」と高みの見物で同意していた人々、特に宗教的な特権意識を持っていたユダヤ人たちに向けて、パウロが鋭い矢を放つ厳粛な箇所です。 パウロは冒頭から「ですから、すべて人を裁く者よ。あなたに弁解の余地はありません。あなたは、他人を裁くことによって、自分自身を罪に定めています」(2:1/新改訳)と強く警告します。他人の不品行や偶像崇拝を道徳的に非難しながら、自分自身も心の中で高慢、貪欲、妬みといった同じ根っこにある罪を犯しているならば、その裁きはブーメランのように自分に返ってくるというのです。 ユダヤ人たちは、自分たちには神の「律法」が与えられており、肉体に「割礼」という神の民の印を持っているから、自分たちは神の正しい裁きから自動的に免除されていると慢心していました。しかしパウロは、神の裁きには「えこひいきがない」ことを宣言します。
神がご覧になるのは、律法を「持っているか(知っているか)」ではなく、それを「行っているか」です。どんなに聖書を暗唱し、他人に教え諭していても、自分自身が盗みや姦淫、神を侮る生き方をしているなら、それは律法を持たない異邦人と何ら変わりありません。むしろ、特権を知りながら行わない分、その責任は重いのです。 ここでパウロは、信仰の本質を突きつけます。「外見上のユダヤ人がユダヤ人ではなく、外見上の肉の割礼が割礼ではありません。内面がユダヤ人である人がユダヤ人であり、文字ではなく、御霊による心の割礼こそが割礼です」(2:28-29/新改訳)。
神が求めておられるのは、外側の宗教的な形式や記号ではなく、聖霊(御霊)によって内側の心が新しく作り変えられ、神を本当に愛する者に変わることなのです。
今日の薦め
私たちは、目に見える困難や敵の大きさに直面すると、申命記の兵士たちのように「恐れ」にとらわれ、心がくじけそうになることがあります。しかし同時に、他人の弱さや失敗に対しては、ローマ2章が指摘するように、自分が正しいかのような顔をして厳しく「裁き」の目を向けてしまう性質を持っています。 今日、周囲の状況を恐れることや、人を裁くという古い生き方から一歩踏み出しましょう。私たちの戦いは、自分の力で勝つのではなく、主が共に戦ってくださる信仰の歩みです。 外側の形だけを取り繕って自分を良く見せようとするのをやめて、静かに神の前に立ち、神様への自分自身の罪を悔い改め、イエスキリストの罪の身代わりの十字架の死と復活がわたしのためであったと信じる信仰によって義とされるのです。

