『あしあと(Footprints)』という詩の奇跡。

『あしあと(Footprints)』という詩とは?

『あしあと(Footprints)』

ある夜、わたしは夢を見た。
わたしは、主とともに、なぎさを歩いていた。
暗い夜空に、これまでのわたしの人生が映し出された。
どの光景にも、砂の上にふたりのあしあとが残されていた。
ひとつはわたしのあしあと、もう一つは主のあしあとであった。

これまでの人生の最後の光景が映し出されたとき、
わたしは、砂の上のあしあとに目を留めた。
そこには一つのあしあとしかなかった。
わたしの人生でいちばんつらく、悲しい時だった。

このことがいつもわたしの心を乱していたので、
わたしはその悩みについて主にお尋ねした。

「主よ。わたしがあなたに従うと決心したとき、
あなたは、すべての道において、わたしとともに歩み、
わたしと語り合ってくださると約束されました。

それなのに、わたしの人生のいちばんつらい時、
ひとりのあしあとしかなかったのです。
いちばんあなたを必要としたときに、
あなたが、なぜ、わたしを捨てられたのか、
わたしにはわかりません。」

主は、ささやかれた。
「わたしの大切な子よ。
わたしは、あなたを愛している。あなたを決して捨てたりはしない。
ましてや、苦しみや試みの時に。
あしあとがひとつだったとき、
わたしはあなたを背負って歩いていた。」   
マーガレット・F・パワーズ

この詩は、21歳の若さで天に召された仲谷清志兄の証し集である「御旨のままに」の中にも引用された詩です。

この詩は長い間作者不詳とされてきました。

しかし、1989年に驚くべき出来事により作者とこの詩が書かれた背景が明らかになりました。

「あしあと」の詩の背景にあった物語

この詩は、世界中で多くの人を励ます詩で有名になっていました。

しかし長い間、作者不詳とされてきました。1989年までは・・・

でも、1989年に奇跡的なことで作者が誰かはっきりしました。

そしてこの詩が書かれた背景についても明確になりました。

カナダ人ポール・パワーズさんとマーガレットさん夫妻はある日大変な事故に巻き込まれました。

ピクニックの最中、夫妻の娘のポーラが誤って高さ20mの滝に落ち、ポールさんも持病の心臓発作を起こして重体となってしまったのです。

幸い父娘とも、病院に運ばれ一命を取りとめました。

入院中のポールさんの意識がはっきりしたとき、看護師がこう話しかけました。

「わたしの大好きな詩を読ませてください。励ましになるかと思うのですが……」と。

そして読んでくれたのが、「あしあと」の詩だったのです。

看護師は、読み終わったときに言いました。

「私はいつもどんな時もこの詩によって励まされてきました。しかし私はこの詩の作者を知りません。作者不明なのです」と 。

すると、

ポールさんは笑顔で嬉しそうに言いました。

「私は知っています。作者をとてもよく知っています。

……その詩を書いたのは私の妻です」 と。

二人の生い立ちと二人の約束

実はこの詩は、看護師がポールさんに読んでくれた25年前に、二人が結婚の約束をかわした日に妻のマーガレットさんが書いた詩だったのです。

夫のポール・パワーズさんは、幼い頃から彼の父親から殴る蹴るのひどい虐待を受けて育ちました。

7歳の時に自分をかわいがり愛してくれたの母が亡くなりました。彼は家に居場所がなく、寂しさと空しさから非行に走ってしまいました。

近所の子どもたちと万引きしたり、集団強盗をしたり、12歳の時には殺人事件にまで関わってしまいます。

そして少年院、刑務所を転々としました。

しかし、出所後、老年のクリスチャン夫妻のところでお世話になったことがきっかけで、

心から自分の罪を悔い改めて、イエスキリストを自分の救い主と信仰によって受け入れクリスチャンになり神様をこころからほめたたえました。

そしてこんなどうしようもない罪人を愛してくださった神様に従う決心をしました。

そして私を愛して私の罪のために十字架にかかって死んでくださり、甦ってくださったイエス様と共に生きたいとこころから思いました。

そして、神様の福音と神様の愛を宣べ伝える牧師になったのです。

一方、小学校の教師だったマーガレットさんは、落雷事故に遭い、体調不良が増して、仕事は辞めざるを得なくなっていました。

そういう二人が教会で出会い、神様のために二人で生きたいと願い、互いに愛し合うようになったのです。

どのようにして「あしあと」の詩は生まれたのでしょう?

1964年のことです。

ポールさんがマーガレットさんにプロポーズした日、二人は海辺のほとりを歩いていました。

そして将来のことを真剣に語り合っていました。

砂浜には並んで歩いていた二人の足跡がきれいに残っていました。

そろそろ戻ろうと砂浜を折り返そうとした時に、二人の足跡が波でかき消され、一人分しか残っていないことに気づきました。

不安にかられたマーガレットさんはポールさんにつぶやきました。

「これは神様が二人の結婚を祝福してくれない暗示かもしれない」と。

しかしポールさんは、

「いや、二人は一つになって人生を歩んでいけるんだ」と言いました。

けれども、マーガレットさんはまだ不安でした。

「もし二人で処理できない困難がやってきたら、どうなるの?」と尋ねました。

するとポールは、

「その時こそ、主が私たち二人を背負い、抱いて下さる時だ。

主に対する信仰と信頼を持ち続ける限りはね」 と、 嬉しそうに言いました。

そしてポールさんは、マーガレットさんを抱きかかえて歩きだしました。

このことを通してマーガレットさんの不安は、安心と信頼に変わったのです。

詩を書くのが大好きだったマーガレットさんは、その夜、なぎさでの出来事を詩に書きとめました。

その後、人前で話すことが多い牧師のポールさんは、機会あるごとに、この詩を紹介しました。

そして神様の助けと励ましを多くの人に伝えたのです。

そうして二人が知らない間に、この詩は作者不詳として次第に世界中に広がっていきました。

そして、25年後、

二人が大きな試練に出会ったときに、思いがけずに彼らの前に現れ、

神様がマーガレットさんの書いた詩を用いて、二人を励まし慰め勇気づけたのです。

「わたしの大切な子よ、

わたしは、あなたを愛している。

あなたを決して捨てたりはしない。

ましてや、苦しみや試みの時に。

あしあとがひとつだったとき、

わたしはあなたを背負って歩いていた。」

    (マーガレット・F・パワーズ)

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そして

神様は聖書の御言葉を通して励ましを与えてくださっています。

恐れるな。わたしはあなたとともにいる。

たじろぐな。わたしがあなたの神だから。

わたしはあなたを強め、あなたを助け、

わたしの義の右の手で、あなたを守る。

           イザヤ書41章10節

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