最近、見つけて、すごく気に入っている詩です。
中学3年生の国語の教科書に載っている詩だそうです。
まず、ゆっくり、自分自身に問いかけながら読んでください。
【最初の質問】 長田 弘
今日あなたは空を見上げましたか。
空は遠かったですか、近かったですか。
風はどんなにおいがしましたか。
あなたにとって、いい一日とはどんな一日ですか。
「ありがとう」という言葉を今日口にしましたか。
窓の向こう、道の向こうに、何が見えますか。
雨の滴をいっぱいためたクモの巣を見たことがありますか。
樫の木の下で、あるいは欅の木の下で、
立ち止まったことがありますか。
街路樹の木の名前を知っていますか。
樹木を友人だと考えたことがありますか。
この前、川を見つめたのはいつでしたか。
砂の上に座ったのは、草の上に座ったのはいつでしたか。
「美しい」と、あなたがためらわず言えるものは何ですか。
好きな花を七つ、挙げられますか。
あなたにとって「わたしたち」というのは、だれですか。
夜明け前に鳴き交わす鳥の声を聴いたことがありますか。
ゆっくりと暮れていく西の空に祈ったことがありますか。
何歳の時の自分が好きですか。
上手に年を取ることができると思いますか。
世界という言葉で、まず思い描く風景はどんな風景ですか。
今あなたがいる場所で、耳を澄ますと、何が聞こえますか。
沈黙はどんな音がしますか。
じっと目をつぶる。すると何が見えてきますか。
問いと答えと、今あなたにとって必要なのはどっちですか。
これだけはしないと心に決めていることがありますか。
いちばんしたいことは何ですか。
人生の材料は何だと思いますか。
あなたにとって、あるいはあなたの知らない人々にとって、
幸福って何だと思いますか。
時代は言葉をないがしろにしている。
あなたは言葉を信じていますか。
※この詩では、いくつもの質問がちりばめられています。
30個ともいえるし31個ともいえる質問です。
あなたは、どれだけの質問に答えることができますか。
人は、質問を受けると、身構えてしまうものです。
なぜなら、うまく答えようとか、いい答えをしたいと思ってしまうからかもしれません。
でも、人は何も考えずにいると、何に対しても無感動になってしまいます。
ですから、自分自身にいろいろなことを問いかけてみるということは、新しい発見や喜びを掘り起こすことになるかも知れません。
毎日毎日、いろいろなことに興味を持って、自分自身にいろいろなことを問いかけながら
新しい喜びを発見し、
新しい愛を育み、
新しい出会いを経験し、
新しい希望を抱いて
神様とともに少しづつでも、前進していきたいと願っています。