くすしき恵み 詩:ジョン・ニュートン 神に憩う 

CJL15聖歌229番  『驚くばかりの』   原詩の直訳の歌詞です。

 

驚くべき主の恵みよ、その響きのなんという甘美!

わたしのようなみじめな者をさえ救われました!

かって見捨てられていた私はいま神に見出され

私の目は見えなかったのに今は見えています!

 

CJL08私の心に恐れをおこされたのは主の恵み

しかもその恐れを取り除いてくださった

なんという恵みのとうとさ

私がはじめて主を信じたその瞬間の。

 

CJL23多くの危険や試み、罠を

私はすでにくぐり抜けてきました。

ここまで無事に導いてくださった主の恵み

その恵みがきっと私を天の故郷まで導くでしょう。

 

主は私に良きことを約束されました。

みことばこそ私の確かな希望。

主こそわが盾、私の分

私が生きる限り。

CJB09

まことに、この身と心が衰えて

地上の生の終わるときにも

私は天の幕屋のうちに

喜びと平安を手にするでしょう。      

 

ジョン・ニュートンの詩です。彼は、有名なアメージンググレースの作詞者です。

 

彼は、イギリスで奴隷を売買する奴隷船の船長をしていました。

 

彼は荒くれ者で、奴隷に対しても冷酷な扱いをしていました。

しかし、ある日の航海で大変な嵐に遭遇し、死に直面して初めて、

「神様、助けてください」と叫んだのです。

神は彼をあわれんで、彼の命を奇跡的に救ってくださいました。

「どうして、私が。」

 

そのとき、彼はその嵐が神の与えてくださった試練と守りであったと確信し、7歳の時に亡くなった母親が残してくれていた聖書を読み始め、イエスキリストを、自分の罪のために十字架で死に甦った救い主と信じました。

 

そして、クリスチャンとなって全く別の人生を歩みだしたのです。

 

23歳のときでした。彼は悔い改め、一転して奴隷を人として親切に接するようになったばかりか、さらに船を降りて、神様にお仕えするようになったのです。

 

そんな彼が、「こんな愚かな、どうしようもない者をも神は救ってくださった」という『おどろくばかりの恵み(アメージンググレース)』をこころから歌ったのが、この讃美歌です。

 

彼は、やがて神学校で学び、教会の牧師となり、多くの讃美歌を書き、死ぬまでこの「神のくすしき恵み」を語り続けました。

 

この曲は、かっての彼がひどい仕打ちをしていた奴隷たちの間でも、黒人霊歌として受け入れられ、奴隷制度廃止CJA26の働きの一つの種となっていきました。

 

一人の迫害する側の真の悔い改めは、しいたげられている人々の心にも、神のゆるしの深さとともに、響きわたっていったのです。

 

その「恵み」は、教会に満ちあふれ、それにとどまらずにあふれだし、エルビスプレスリーが歌ってグラミー賞を受賞し、一躍、世界の人々にも愛され、さまざまな思いをこめて歌われるようになったのです。

 

 

「こんな自分のような者までも救ってくださる、その神の恵み」に、ただおどろくばかりです。

 

 

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